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大学で教育担当の専任教官をしていたのですが、そのとき、一番優先したのが、入学試験選抜の公平性、客観性の確保、そして、説明責任でした。
いまは、入試の成績を開示することも、制度として行われていますので、不合格とされた受験者から、「なぜ、私は不合格と評価されたのか」という疑問に対する説明責任を担保する必要があることは、入試担当の仕事をしているときはプレッシャーでした。

先日も、ある大学の教員の先生と話したのですが、やはり、今回の記述式問題の導入については、大学内でも議論が続いているようで、受験生の側だけでなく、大学の側にも混乱があるようです。

大学入試改革、完全に政治問題化しています。



東京新聞から


大学共通テスト 国数記述式 採点に民間アルバイト

 「大学入学共通テスト」を巡り、衆院文部科学委員会が五日開かれ、国語と数学で新たに出題される記述式問題の採点者に、民間業者が雇用するアルバイトも含まれることが明らかになった。「公平・公正性が保てない」として、教育関係者らから強い反対の声が上がった。

 記述式問題の採点は、受験者数が約五十万人と膨大なため、テストを実施する大学入試センターでは対応できないとして、民間の「ベネッセコーポレーション」の子会社に委託される。
 文科委に参考人として出席したベネッセの山崎昌樹・学校カンパニー長は、採点者としてアルバイトを雇用するかを尋ねた畑野君枝議員(共産)に対し、「恒常的に(採点を)やっている人もいるが、アルバイトも当然いる」と認めた。
 学生アルバイトも含まれるかは直接答えなかったが「学生か社会人か、国籍、私たちは問うてない。学力テストの採点者たり得る能力があるかを見させていただいている」と述べた。
 一方、「“入試改革”を考える予備校講師の会」は同日午後、立憲民主など野党共同会派の文部科学部会で、文部科学省に記述問題導入の中止を提言する緊急声明を提出した。
 部会には、大学教授や高校教職員、高校生も出席。マークシート方式ではなく、受験者が自由に文章などを書く記述式では、出題側の想定外の解答もあるのが常で、採点に時間がかかる上、採点者に出題者並みの能力が必要だと指摘。記述式は受験者が自己採点することが難しく、二次試験の出願先を正しく決められなくなる危ぐも訴えた。
 大学入学共通テストについては、文科省が二〇二〇年度からの英語の民間検定試験の導入を断念し、延期を決定した。五日の衆院文科委では、英語の入試問題に詳しい京都工芸繊維大の羽藤由美教授が「この制度が決まった時から破綻必至なことは多くの研究者が指摘してきた。民間ありきでなく、専門家の知恵を結集しゼロから考え直して」と訴えた。