images安倍政権が行った、韓国への半導体製造材料の輸出規制強化、が世界各国へ与える影響について、考えています。

世界の貿易や通商についてのルールを定めた世界貿易機関、という組織がなぜ作られているのか、と、考えれば、国の政権の政策や方針によって、企業間のビジネスに支障があるのは好ましくない、というのが根本にあります。

政府による経済活動への介入が行き過ぎて、戦争に発展した歴史もあります。

今回の日本政府の行動によって、世界の企業に与えたイメージは、

日本政府は面倒な国である
日本企業とビジネスを行うと政府の政治的な介入があり、リスクがある

と、いうことになりませんかね。

もちろん、韓国の半導体製造会社と取引していた日本企業にも損害が出てくるかと心配しています。
これを機に、韓国の企業が日本以外の企業と取引を始めることになると、世界における日本企業の存在が小さくなることにもつながります。


毎日新聞から

韓国、WTO物品貿易理事会で日本を非難 半導体材料の輸出規制強化めぐり

 韓国政府は9日にスイス・ジュネーブで開かれた世界貿易機関(WTO)の物品貿易理事会で、日本による半導体材料の輸出規制強化を非難し、撤回を求めた。これに対し、日本政府はWTO協定に沿った対応だと反論。両国の主張は平行線をたどった。今後は韓国がWTOへの提訴に踏み切る可能性もあり、緊張が高まっている。

 韓国の白芝娥駐ジュネーブ国際機関代表部大使は規制強化について「貿易をゆがめる措置」「経済報復だ」と批判した。日本は輸出手続きが優遇される「ホワイト国」から韓国を除外する手続きも進めている。中国やインドなどは現在も対象外。欧州連合(EU)も同様の優遇措置を韓国に適用していない。伊原純一駐ジュネーブ国際機関政府代表部大使は「安全保障上の懸念から輸出管理を適切に実施するのに必要な見直しだ」と改めて主張した。
 今後の焦点は韓国が実際にWTOへの提訴に踏み切るかどうかだ。韓国は提訴に向けた手続きとなる「2国間協議」を日本にいつでも要請できる。日本が要請に応じないか、協議が決裂すれば、WTOの「裁判所」に当たる紛争処理小委員会が設置される。ただ、判断までには通常数年かかる。日本の規制強化による影響が韓国企業に広がりかねないため、韓国政府が別の解決策を探る可能性もある。
 一方、韓国の文在寅大統領は10日、国内の大手30社と経済団体のトップら34人を大統領府に集め、輸出規制強化への対策を協議した。文氏は「日本の不当な輸出規制措置の撤回」に向けて交渉に臨む覚悟を強調。「事態が中長期化する可能性に備えなければならない」とも述べた。
 文氏は「政治目的で韓国経済に打撃を与え、根拠もない北朝鮮制裁と関連させて発言するのは両国の安保協力関係にとって望ましくない」と批判。「日本は対話に応じてほしい」と交渉を呼びかけた。元徴用工問題の新たな解決策は検討しておらず、貿易問題として対処するとみられる。文氏は、主要企業の経営者と副首相や関連省庁次官らが協議する体制をつくり、対策を講じる構え。
 日本は12日に開く事務レベルの話し合いで韓国側に規制強化の内容を説明するが、撤回などの協議には応じない方針だ。今後は「韓国の対応次第」との立場を崩しておらず、緊張緩和の糸口は見えない。