images安倍首相が、どうしても実現したい、「北方領土返還」、参院選での与党側が勝利するためのアピールの最大の材料にしたい、という思惑も丸見え、です。
もちろん、ロシア側も、そこは完全にわかっている。

こういう場合の外国との交渉は、相手に足元を見られ、過大に譲歩する結果になる、と、思いますが、それでも、安倍首相は突っ走るつもりのようです。

憲法改正にしろ、北方領土返還交渉にしろ、また、拉致被害者の帰国交渉にしろ、安倍首相は、常に、それを自分の立場や自分の政権の存続のために利用する姿勢があからさまで、本当にさみしい限りだと思います。

安倍政権の存続は、国益を害することになります。そのように確信しています。


毎日新聞から

首相、日露交渉の方針明かさず ロシアの硬化懸念? 「北方領土は日本固有」と表現せず

 安倍晋三首相は1日まで3日間にわたって行われた衆参両院本会議での各党代表質問で、北方領土問題を含む日露平和条約締結の交渉方針を明かさなかった。北方領土に関する政府見解だった「日本固有の領土」などの表現も避けた。日本の立場を発信してロシアが態度を硬化させることを避ける狙いとみられるが、野党は「国民への説明が果たされていない」として、政府への追及を強める方針だ。

 「ロシアは言いたい放題だ。自国のポジションすら表明できないのか」。立憲民主党の福山哲郎幹事長は1日の参院本会議で、首相にいらだちをぶつけた。ロシア政府が「(北方領土は)第二次世界大戦の結果、ロシアの主権になった。合法的に手に入れた」と主張するのに対し、首相の発言が煮え切らないからだ。
 首相は「北方領土は我が国が主権を有する島々だ。この立場に変わりはない」と語ったものの、4島のうち何島の返還を求めるかなどの方針は「交渉以外の場で言うと、交渉に悪影響を与える」とかわした。
 代表質問では、歴史認識でも後退したかのような答弁が目立った。1月30日の衆院本会議では、立憲の枝野幸男代表が「北方領土は『日本固有の領土』か」とただしたが、首相は「我が国が主権を有する」と繰り返すだけ。翌31日に「社会保障を立て直す国民会議」の野田佳彦代表が「ロシアによる不法占拠との立場に変わりはないか。昨日はぼそぼそ言って聞こえなかった」と追及しても、答弁内容は同じだった。

北方領土問題を巡る首相発言の変遷
 首相は過去、国会で「日本固有の領土」「ロシアの不法占拠」との認識を示してきた。今国会でこうした発言を避けるのは、ロシアが過去に日本側の発言を理由に交渉を止める構えをみせてきたためだ。2009年に麻生太郎首相(当時)が「不法占拠」と言及して関係が悪化したことなどが念頭にある。首相周辺は「慎重に対応するしかない」と解説する。
 日本政府は歯舞群島と色丹島の2島返還に国後、択捉両島での共同経済活動などを組み合わせた「2島プラスアルファ」での決着を図る。これに対し、国民民主幹部は「4島返還からの転換や、歴史認識での後退があれば国益を損なう」とけん制。野党は夏の参院選や可能性がささやかれる衆参同日選もにらみ、北方領土問題を今国会の争点の一つにしたい考えだ。