images
与党の中央集権化、つまり、独裁制に近づく制度、です。
単なる「6増」や「合区解消」の案ではない、もっと、深い思惑のもとで作られた法案のようです。

「良識の府」とされ、旧貴族院の流れをくむ参院は、衆院を抑制する立場に位置付けられていますが、自民党の参院選挙制度案は、その自滅を誘うものと思います。

今でも、衆院のカーボンコピーと揶揄されていますが、それでも、衆院は、議院内閣制のもと、政権与党のコントロール下にあり、与野党対決では、かなり荒れた審議になることも普通ですが、参院ではそうならないこともあります。
これは、参院の自民党議員たちが、ある程度、独自性を保持しているから、ということがあるのですが、この選挙制度案では、それが、破壊され、全て内閣や与党の意向通りにコントロールできるようになるかもしれません。


毎日新聞から

参院選挙制度改革
6増自民案、「特定枠」に批判噴出 運用次第で混乱も 参院委

 参院選挙制度改革に関する各党の公職選挙法改正案は、参院政治倫理・選挙制度特別委員会(倫選特)で9日も審議され、自民党案に盛り込まれた比例代表の「特定枠」制度に対し、野党は「究極の党利党略だ」などと追及した。特定枠は政党の都合によっては、比例名簿全体を事実上「拘束名簿式」にもできる仕組み。現行の「非拘束名簿式のみ」と異なり、各党がばらばらに運用すれば有権者に大きな混乱を招く懸念もある。

 「ある党で50人の比例候補がいると、特定枠を49人にすることも可能か」。この日の倫選特で希望の党の行田邦子氏からこう追及され、改正案を提案した自民党の磯崎仁彦氏は「49人までは可能だ」と明言した。
 直前の質疑では同党の古賀友一郎氏が「非拘束名簿式を維持しつつも、『一部について補完的に』拘束式の特定枠が活用できる」と強調。しかし、特定枠が導入されても非拘束名簿式が基本になる、とは言い切れない。
 参院選の比例代表は現在、同じ政党の中で個人名の得票が多い候補から順に当選する非拘束名簿式を採用している。自民案は、事前の名簿順位に応じて当選者が決まる拘束名簿式を一部導入するものだ。野党からは、この日も「相いれない方式を合体させるいびつな方式だ」(自由党の青木愛氏)と批判の声が上がった。
 さらに「一部」とされる特定枠は各党に運用が任され、「全部でなければ何人でも良い」仕組み。仮に1人を除く全候補を当選順がある特定枠にすれば、事実上、名簿全体に順位がある拘束式名簿と同じになる。
 このため行田氏は、仮に1人だけ特定枠でない候補が大量得票しても落選するケースがありうるとし、「民意を無視する制度だ」と追及。磯崎氏は「全く死に票になるのではなく、政党の当選(獲得議席数)を決めるうえでは大きな役割を果たす」などと反論した。
 自民案は特定枠の導入に合わせて比例定数を4増する。「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区で立候補できなくなった県の候補者を救済する狙いで、古賀氏は答弁で「合区を踏まえて4増をお願いしている」と本音を漏らしたが、その範囲を超えて選挙制度の根本的な変更につながりかねないのが実態だ。