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2015年の年末に慌ただしく実現した、日韓の外相合意というのは、日本と韓国の両方の保守的政権が、互いにいがみあう状態では、アメリカの国益を損じる、という戦略的判断から、当時のオバマ政権が、安倍内閣に強く働きかけて、行われたもの、と、私は思っています。

アメリカ側から、「歴史修正主義者」のレッテルを貼られることを避けようと、安倍首相はオバマ政権の意向にそって、韓国との外交交渉を有利に進めていくことに傾注したのだろう、と、思います。

しかも、当時の韓国朴政権は、政権末期で、求心力の低下が著しく、アメリカをバックに、強気の交渉をする日本の要求を抗うことも、また、国民に情報公開をすることも、できない状態に追い込まれました。
朴政権は、日韓の外交交渉において、弱気な姿勢で、結果として、日本側に有利な内容での外相合意にいたったわけですが、その経緯の裏には、日本の安倍政権の後ろに控えている、アメリカ側との間でも、裏約束があったのではないか、と、思っています。このとき、朴政権とアメリカ側との間で、どのような秘密取引があったのかが公表されることはないのでしょうか。

ということで、韓国といがみあうことが、どこにどのような政治的利益があるか、ということも考えますと、大変、残念な経過になっている、と、私は思います。

安倍政権は、また、ポスト安倍をねらう当時の外相の岸田氏も、アメリカ側に善処をお願いする、ということになるんでしょうね。
ただ、アメリカも、オバマ政権からトランプ政権となり、アジア外交も腰が据わっていない、という感じがしていますから、このまま、日韓はぎくしゃくしたまま、ということかなあ。


読売新聞から

文大統領が声明「日韓合意の手続きに重大欠陥」

 韓国大統領府は28日午前、日韓両政府が2015年末に交わした、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した合意について、文在寅ムンジェイン大統領の声明を発表した。

 韓国外交省作業部会が27日に公表した検証結果を踏まえ、合意に至る手続きなどに「重大な欠陥があった」と指摘。「この合意で慰安婦問題は解決されないという点を改めてはっきりと申し上げる」とし、日本側に何らかの対応を求める考えを示した。
 日本政府は合意の見直しには一切応じない方針だ。声明は、「再交渉」や「破棄」などには触れていないが、文政権が今後、これらを主張すれば日韓関係が緊張するのは必至だ。文氏は声明で、「何よりも被害の当事者と国民が排除された政治的合意だったという点で、非常に痛恨だ」と述べた。