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ワシントン州の連邦地裁は、大統領令について憲法違反と判断したようです。
混乱が続いています。


NHKのニュースサイトから

入国禁止の大統領令差し止め命じる ワシントン州連邦地裁

中東やアフリカの7か国の人の入国を一時的に禁止することなどを命じたアメリカのトランプ大統領の大統領令について、連邦地方裁判所は全米で大統領令の即時停止を命じる仮処分の決定を出しました。この決定についてホワイトハウスは裁判所に直ちに、この決定の効力を停止するよう申し立てる考えを示しました。

アメリカのトランプ大統領は、中東やアフリカの7か国の人の入国を一時的に禁止することなどを命じた大統領令を出しましたが、これについてワシントン州のファーガソン司法長官は、人種や宗教に基づく差別を助長するもので、憲法に違反しているとして、シアトルにある連邦地方裁判所に訴えを起こすとともに執行の即時停止を求める仮処分を申し立てていました。
これについて連邦地方裁判所は3日、この申し立てを認め、全米で大統領令の即時停止を命じる仮処分の決定を出しました。決定の理由について裁判所は、大統領令は雇用や教育、経済活動に悪影響を与えているなどとしています。
ワシントン州のファーガソン司法長官は「たとえ大統領といえども法を超えることはできない。憲法の勝利だ」と述べました。
決定についてホワイトハウスのスパイサー報道官は3日、声明を発表し、「司法省は早急に裁判所の決定の執行を停止するよう求め、また、大統領令を守るつもりだ。この大統領令は合法で適切なものだと確信している」として、裁判所に不服を申し立てるとともに、仮処分の決定の効力がすでに生じていることから、直ちに効力を停止するよう申し立てる考えを明らかにしました。
アメリカメディアは、「賛否がわかれている大統領令は大きくつまずいた」と速報で伝えるとともに、「決定を受けて入国管理の現場で、どのような対応が行われるのかは明らかになっていない」などと伝えています。今回の大統領令をめぐってはマサチューセッツ州やニューヨーク州など各地で提訴の動きが相次いでいました。

マサチューセッツ州では差し止め退ける決定
アメリカでは、大統領令を受けて州政府や市民団体が各地で憲法違反だなどとして提訴する動きが広がっています。このうち、中西部ミネソタ州は、西部ワシントン州が先月30日に提訴した裁判に後日、原告として加わりました。また、ハワイ州も州の司法長官が3日、連邦政府を相手取って訴えを起こしたと発表しました。さらにイスラム教徒の団体や人権団体は、南部バージニア州、東部ニューヨーク州、東部マサチューセッツ州などで同様の訴えを起こしています。このうちマサチューセッツ州の連邦地方裁判所は、3日、大統領令の差し止めを求める原告の訴えを退ける決定を出しました。

米メディアは
CNNテレビは今回の決定について「賛否が分かれる大統領令は大きくつまずいた」などと伝えています。有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナルは電子版で、「この決定を受けて、現場レベルでどのような対応が行われるのかは直ちにわからない」として、7つの国の人の入国がすぐに再開されるかどうかははっきりしないという見方を伝えています。

抗議デモ参加者は歓迎の声
7か国の人の入国を禁止することなどを命じた大統領令に反対し、抗議デモに参加していた市民のあいだからは、3日夜、ワシントン州にある連邦地方裁判所が出した決定を歓迎する声が相次ぎました。
このうち、首都ワシントンのホワイトハウス周辺でデモ行進に参加していた女性は、「うれしいです」と喜んだうえで、「まだ大統領が撤回すると言っていないし、家族が離れ離れの人もいるので私たちは抗議活動を続けます」と話していました。また、別の女性も「拍手を送りたいです。大統領にみんなが抵抗すべきです」と話していました。