imagesニュースをきいて、びっくりしたのですが、でも、正直、よかったと思います。

国連事務総長を務めた方は、その後、特定の国の政治家にはなってはならない、という倫理があります。
その責務上、世界各国の様々な事情や機密、また、公言できないような、政治家たちの情報に触れることになり、もちろん、やめたあとも、知り得た秘密を公表することはしないとしても、新たな責務についた上で、そのときそのときの判断をする場合に、自らが持つ特別な情報を利用しないはずはない、からです。

だから、大統領選に出ない、ということに、私は安堵しています。

しかし、もっともっと、気になるのは、韓国の大統領という責務の実際、です。

任期が5年で、再任はない、というのは、まあ、よし、としましょう。
(本来、国家元首、ということであるのなら、任期はもっと長く、10年ぐらいとして、しかし、政治の実権からは切り離した象徴的立場、にすべき、と、思います。ドイツなど、王制をやめた、ヨーロッパ各国は、大統領の役割をそのようにしています。)

韓国やフィリピンの大統領制は、アメリカのそれにならったもの、ということかと思いますけれど。

じゃあ、韓国の大統領が、アメリカの大統領となにが違うか。
それは、大統領が違うのではなくて、それを選出し、支持したり、批判したりする、国民の意識や社会のあり方が、まったく違うのです。

大統領個人は清廉潔白な人物だったとしても、その周囲にいる、親族や知人の中に、大統領の権威をつかって、私利私欲を貪る行為をする、しかも、それを容認する社会風潮があるのです。
以前の日本社会も同様でしたが、様々な問題がおきて、それに対応していく中で、今の私たちの日本社会ができあがってきました。

また、韓国のマスコミ、ジャーナリズムも、健全な批判精神を持っているとは言い難いです(これは、私たちの日本も同様のところがあるかもしれませんけれど)

韓国は、行き過ぎと批判もされますが、大変な学歴社会で、大学進学率も高く、識字率やインターネットの普及率も高い、高度な文明社会である、と、思いますが、まだまだ、民主主義というものがしっかりと根付いていない、と、思います。

全ては、祖国が分断され、北に、大変な専制国家である兄弟国がある、ということが原因かと思いますけれど。
そして、その遠因となったのは、私たちの以前の国が行った、日本への併合という措置だったと思いますし、また、歴史的には、ずっと、中国の属国のような国家であった、ということがあり、日本が敗戦したあと、太平洋を支配したいアメリカと、中国ロシアとのせめぎ合いの場になった、ということです。

私たちの日本列島が、あの戦争に負けたあと、今の朝鮮半島のように、2つに分断されなかった、そして、経済繁栄を達成することができた、のは、やはり、アメリカのおかげ、かと、感謝しなければなりませんかね。


朝日新聞から

潘基文氏、韓国大統領選に不出馬 政治家へ不信感あらわ

 韓国の潘基文(パンギムン)・前国連事務総長(72)は1日、国会内で緊急記者会見を開き、「政治交代を果たし、国家統合を遂げようとした純粋な志をあきらめる」と述べ、次期大統領選に立候補しない考えを表明した。潘氏は、今春にも行われる大統領選の最有力候補の一人で、選挙戦の構図が大きく変わることになった。

 潘氏は1月12日、10年にわたる国連事務総長の任期を終え、帰国した。その後は各地を訪問したり、有力な政治家と面会したりするなどして立候補の準備を進めてきた。1月31日には記者会見し、大統領制度を見直すため、憲法改正に向けた協議体の設立を提案。1日の記者会見の前にも与党セヌリ党などを訪問したばかりだった。
 一方で、国連事務総長時代に慰安婦問題の日韓合意について評価した発言が批判にさらされた。潘氏の弟とおいが不動産取引で不正を働いたとされる疑惑をめぐっても追及され、支持率は低迷していた。

 潘氏は1日の記者会見で「私の純粋な愛国心と抱負に対する人格殺害に近い攻撃、様々な偽のニュースによって、むしろ私個人と家族、国連の名誉に大きな傷だけを残すことになった」と発言。自身への批判が立候補断念の要因になったとした。

(引用終わり)