images朴大統領の行動を批判的に報道した産経新聞について、当時の韓国の大統領府が弾圧ともいうべき攻撃を加えたことがわかります。

外国の新聞社だから、大統領府の意向に沿わない報道ができる、独立した立場にある、と、言えますが、では、韓国の新聞社やマスコミは、大統領府から独立した存在と言えるのか、ということに、大きな疑問がある、ということになる、と、わたしは感じています。

わたしは、どんなに民主主義のしくみが整備されていたとしても、きちんと知らされていない国民が有権者であるなら、その民主主義のしくみの結果は、いびつで、情報をコントロールしている側(通常、統治機構側)に、恣意的に左右されるしかない、はかないものである、と、思っています。

国民の知る権利、と、民主主義の正当な機能は、完全に表裏一体の関係にあることは間違いありません。

国家元首であっても、国民から、民主的な選挙で選ばれた存在であるなら、批判の対象になることも容認されるべき、と、思います。それが、民主主義のあり方、です。
もちろん、誹謗中傷のような低次元のものはいかがか、と、個人的な感覚はありますが、それであっても、容認される必要がある、と、私は思います。

英国の王室は、選挙で選ばれるものではありませんが、時に、激しい批判の対象になっていることも、私の念頭にはあります。
選挙で選ばれてはいない、ということであっても、国民の多くから支持がなければ、体制が存続できない、ということがあるのでしょう。

今回の大統領辞任劇が、果たして、正当な民主主義のしくみが働いたのか、ということについて、わたしは、大きな疑問を持っています。
そうではなくて、韓国の統治機構には民主的なしくみや、権力間の牽制機構が不全な状態で組み込まれているのか、ということがあらわになったのではないか、ということと、きちんと知らされていない韓国国民が権力構造の思うがまま、に、なっているだけ、と感じています。

そして、私たち日本国民は、韓国の様子をみて、「他山の石」としていなけばならない、と、改めて思います。


朝日新聞から

「産経を懲らしめてやらねば」韓国の大統領府高官がメモ

 韓国の朴槿恵(パククネ)大統領の名誉を記事で傷つけたとして産経新聞の加藤達也元ソウル支局長が在宅起訴され、無罪判決が確定した問題をめぐり、韓国の「全国言論労働組合」が6日、朝日新聞の取材に応じ、大統領府高官らの協議内容とみられるメモを明らかにした。「懲らしめる」「処断」などの言葉から、「言論の自由に対する理解がまったくない政府であることを露呈している」とした。

 同労組は報道機関の労組で構成する。担当者によると、メモは昨年1月まで大統領府の民情首席秘書官を務め、今年死去した金英漢(キムヨンハン)氏が記したもので、遺族から提供を受けた。メモには大統領府高官らが記事への対応を議論した内容が記されていると説明している。
 加藤氏の記事が掲載された後の2014年8月7日のメモには、「産経 報告 忘れてはならない」「懲らしめてやらねば。リストを作って追跡し処断するよう情報収集、警察、国情院(国家情報院)でチームを構成するように」と書かれていた。冒頭に「長」の文字があり、同労組は、金淇春(キムギチュン)・大統領府秘書室長(当時)の発言だった可能性があるとしている。
 8月10日には「言論の自由の名のもとに国家元首を冒瀆することは許されない」という記述もあった。