svgちょうど、映画「64」をみて、その原作小説も読んだので、警察の広報の仕事やその裏側もなんだか、少しわかったような気がしています。

私たちの教訓は、
「警察は、このミスを受けて、二度とミスをしない」
ではなく、
「警察も間違えることがある。しかも、間違えに気づいてから訂正にはかなりの労力が必要」
ということだと思います。
組織の論理が背景にあります。

今回のケースでは、困難とは思いますが、マスコミ報道関係者は、警察発表を鵜呑みにせず、疑ってみる、ということが大切かと思います。


NHKのニュースサイトから

警察が逆走車を誤って発表 新潟・柏崎

10日夜、新潟県柏崎市で軽ワゴン車と乗用車が衝突し、双方に乗っていた2人が死亡した事故について、警察は当初、軽ワゴン車が道路を逆走したとしていましたが、その後の捜査で、実際に逆走していたのは乗用車のほうで誤りだったと発表しました。警察は今後、遺族らに直接謝罪することにしています。

10日午後9時前、新潟県柏崎市の国道116号線で軽ワゴン車と乗用車が正面衝突し、軽ワゴン車を運転していた新潟市西蒲区の自営業、石川浩さん(62)と乗用車を運転していた青森県東通村の川口操さん(41)が死亡しました。

この事故で、警察は当初、軽ワゴン車が国道を逆走したと発表していました。しかし、事故の目撃者の話など、その後の捜査で、実際に逆走していたのは乗用車のほうで、誤りだったと発表しました。
警察は、当初の目撃情報をしっかり確認しなかったことや、衝突で2台の車の位置関係がよくわからくなっていたことなどが誤りにつながったと説明しています。新潟県警察本部交通指導課は「ご遺族の方々に多大なご迷惑をかけてしまい、大変申し訳ない。捜査の中で確認不足があり、担当者に聞き取りを行うなど真相究明に努めたい」としています。
警察は、すでに遺族らに電話で状況を説明し、今後、直接会って謝罪することにしています。

目撃者の話
事故を目撃した新潟市の男性は、NHKの電話インタビューで当時の状況を詳細に説明しました。男性によりますと、軽ワゴン車が自分の車を追い越して前に移動した直後に、ライトをつけた乗用車が国道を逆走してきたということです。そして衝突事故が起き、2台の車の位置関係が反転したような状態になってしまったということです。
男性は「軽ワゴン車が自分の前にいなければ衝突されたのは自分だった。亡くなった方は何も話せないので、警察は真実をはっきりさせてほしい」と話していました。

遺族「とにかく悔しい」
当初、逆走した車を運転していたと警察に発表された石川浩さんの長男の裕之さん(37)は「父親がふだんから毎日のように通っている道で間違うことはないし、逆走という状況説明がおかしいのではないかと思っていた」と、当初から警察の説明に疑問を感じていたと話しました。そして、警察に詳しく調べるよう求めたものの、警察からは一貫して「石川さんが逆走した」と説明を受けたということです。
警察が誤りを認めたことを受けて、裕之さんは「とにかく悔しい。全国で悪者みたいに見られ、本当に悔しい。警察は状況をよく調べてから発表していれば、こういう間違いは起きなかったと思うので、2度と同じような過ちをしてほしくない」と話していました。

(引用終わり)

NHKの続報

逆走事故 正しい目撃情報が警察署幹部に伝わらず

新潟県柏崎市で起きた車の逆走事故をめぐり、警察が逆走した車について誤って発表していた問題で、正しい目撃情報が現場の警察官に寄せられていたにもかかわらず、その内容が警察署の幹部には伝わっていなかったことが、警察への取材でわかりました。警察は、担当者らに聞き取りを行い、情報伝達のミスが起きた原因を調査することにしています。

この事故は10日夜、新潟県柏崎市の国道116号線で軽ワゴン車と乗用車が正面衝突し、双方に乗っていた2人が死亡したもので、警察は、軽ワゴン車が道路を逆走したと誤って発表していました。
警察は、衝突によって、2台の車の位置関係がよくわからなくなっていたことなどが誤りにつながったと説明しています。
その後の調べで、乗用車が逆走していたという正しい目撃情報が、現場にいた柏崎警察署の警察官に伝えられていたことが警察への取材でわかりました。
この情報は、その後、現場にいた別の警察官にも伝えられましたが、警察署の幹部には伝わらず、正しい目撃情報が生かされなかったということです。
警察は当時、対応した警察官らに聞き取りを行い、情報伝達のミスが起きた原因を調査することにしています。
新潟県警察本部は「ご遺族の方々に多大なご迷惑をかけ、大変申し訳ない。真相究明に努めたい」としています。

警察署幹部が遺族に謝罪
この問題で、11日夜遅く、逆走した車を運転していたと警察に発表された石川浩さんの自宅を柏崎警察署の幹部2人が訪れ、遺族に謝罪しました。
この中で、警察の幹部は長男の裕之さんや親族に対し、「多大なるご迷惑をおかけし、大変、申し訳ございませんでした」と謝罪したということです。
そのうえで、警察側からは事故当時の詳しい状況のほか、情報伝達のミスなど不備があり、発表の誤りにつながったといった経緯が説明されたということです。
これを受けて、長男の裕之さんは「警察の説明にある程度は納得できたが、謝って済む問題なのかという思いは残る。2度と同じことが起きないよう、警察には当事者の立場に立って、あらゆる可能性を考え、捜査を尽くしてほしい」と話していました。