私は、暴力は嫌いで、この社会からなくなることが理想と思っています。
だから、暴力団を擁護するつもりはありません。
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でも、警察権力をきちんと民主的にコントロールすることは、それ以上に重要なことだと信じています。

今回の広域暴力団の分裂騒ぎの背景にあるものがわかってきたように思います。

いまの指定暴力団に対する法律は、人権侵害の側面があると感じています。
もちろん、社会の安全を乱すものに対して、私たちの憲法の効力があるのか、という考えがあることも理解しますが、排除の理論は、権力の暴走が起きたときに、恐ろしい社会が到来することになる、と、ナチスドイツの歴史が明確に物語っています。

経済の自由だけでなく、就労や居住の制限も含んだ、いまの暴力団対策法が、かなり厳しいので、その指定を免れるために、暴力団が新しい組織を作って、規制から逃れようとしている、というのが背景にある、と、思います。
厳しい取り締まりの法律が、かえって、市民社会の安全を脅かす事態になってしまっているのではないか、ということです。

新しい組織を作って、法律の裏をかこうとした暴力団の一部を、改めて、その法律の対象下に置き、取り締まることができるように網羅するために、いま、手続きが進められていますが、それに対する市民、国民の支持があるようにすることが、警察のいまの最大の懸案だと思います。

そこで。

全国各地で、暴力団の抗争というか、小さな小競り合い(今のところ、死人が多数出るようなこともなく、また、双方で、銃器が使われることもなく。なんらかのルールがあるかのようです)が頻発しており、また、マスコミはそれをどんどんと報道しています。

警察に協力する暴力団や暴力を生業としている人たちがいるのだろう、と、思います。
新しい組織を作って、警察のコントロール(庇護?)下から抜け出そうとした暴力団員たちに対して、いままでの組織に残り、不自由な生活を継続することを選択した暴力団員たちは、彼らが、また、警察のコントロール下に覆われることを望んていることでしょう。

そして、そのような人たちを警察がけしかけている、ことが絶対にないのでしょうか?
私たちは、暴力を生業としている方たちも注意が必要なのですが、それ以上に、警察権力にも注意を注がなければなりません。


NHKのニュースサイトから

暴力団対策法の規制対象へ 「神戸山口組」意見聴取会

国内最大の指定暴力団「山口組」と分裂した「神戸山口組」の対立抗争とみられる事件が各地で相次ぐなか、兵庫県公安委員会は「神戸山口組」を暴力団対策法の規制の対象にするため、22日、団体の関係者から意見を聞く意見聴取会を開きます。
神戸市に総本部がある国内最大の指定暴力団「山口組」を巡っては去年8月、傘下の一部の団体の組長が離脱して、淡路市を拠点とする「神戸山口組」を結成しました。
「神戸山口組」は現在、暴力団対策法で規制の対象になる指定暴力団になっていないため、組員がみかじめ料などを要求しても中止命令などを出すことができず、兵庫県公安委員会は指定に向けた手続きを進めています。
警察によりますと、これまでに組長を頂点にした組織形態や、犯罪歴がある人物が一定以上の割合を占めていることなどが確認できたということで、これを受けて、兵庫県公安委員会は22日、「神戸山口組」の関係者から意見を聞く意見聴取会を兵庫県警察本部で開きます。
意見聴取会では関係者が意見を述べたり、資料を提出したりすることができ、兵庫県公安委員会は22日の開催を受けて、「神戸山口組」の指定暴力団の指定を急ぐことにしています。