北朝鮮中国の武大偉氏が北朝鮮の平壌を訪問しているそうです。
成果があればよいのですが、これで、北朝鮮が、なんらかの利益を得るのであれば、相変わらずの「瀬戸際外交」の勝利となると思います。

北朝鮮が求めているのは、今の「金王朝」の存続の保証、でしょう。

すでに、ロシアは見限っていますし、中国もかなり手を引き始めていますので、それが、若い金正恩には心理的な圧迫になっているだろう、と想像しています。

国内を強く引き締め、厳しい強権政治を断行しているのはその表れ、と、みています。しかし、激しい粛清の結果、たぶん、今の将軍様の周囲には、若い暴君に、勇気ある諫言ができる、知恵ある高官はもう皆無ではないか、と、不安をもって観察しています。

最後は、人材、です。
イエスマンばかりをそろえては、判断を誤るリスクが高まります。

中国が武特別代表を、北朝鮮に派遣したのは、国連の安保理での制裁決議採決への時間稼ぎにもなりますし、中国の面子を保つ、という国際政治での存在感アピールにもなります。

結果的に、説得が失敗しても、やっぱり、あの国はおかしい、ということを国際的に認識するだけで、もう、中国にはあまりデメリットはないだろう、と想像します。


読売新聞から

中国高官が訪朝、ミサイル発射自制促す狙いか

 北京の外交筋によると、中国の武大偉・朝鮮半島事務特別代表は2日、平壌を訪問した。

 北朝鮮による1月6日の核実験後、中国政府高官の訪朝は初めて。国連安全保障理事会で北朝鮮に対する追加制裁決議の議論が進む中、長距離弾道ミサイルの発射準備とも見られる動きを続ける北朝鮮に自制を促す狙いとみられる。
 武氏は、北朝鮮の核問題を巡る6か国協議の議長を務める。訪朝では、核実験に反対し、核放棄を求める中国の立場を伝達すると共に、朝鮮半島情勢の緊張緩和に向けた方策などについて意見交換する模様だ。
 中国は安保理での制裁議論を進める一方、「朝鮮半島を不安定化させてはならない」(王毅外相)として、米国が求める「強い制裁」には慎重姿勢を崩していない。ただ、ミサイル発射など北朝鮮による新たな挑発が事態を一層悪化させかねないとみて、訪朝を決断したとみられる。