imagesわが国でも、自衛隊という実力組織が、政治的にも大きな意思を持つようになってきましたが、一般的に、軍という組織は、警察と並んで、統治機構において、大きな権力集団として政治力を発揮します。官僚機構や市民社会がきちんと成立していない、発展途上国においては、軍と警察だけが組織として政治的な目的をもって機能しうる存在であることさえあります。

民主主義の機能が市民社会できちんと働かない社会において、軍を掌握することは、その統治機構のトップにとって不可欠のこととなります。というか、そのような社会では、軍を掌握した者が、その国の統治機構のトップにつくことになります。本末転倒ですけれども。その者は、階級の上での軍のトップや、軍人とは限りません。実質的に軍を掌握している者、です。

習近平氏とそれを支える政治グループは、中国人民解放軍を掌握した、と、思われます。
今後の経過をしっかりと見ておきたい、と、思います。


朝日新聞から

中国軍、指揮系統を集約 米を意識、戦闘能力の確保狙う

 中国の習近平国家主席は、北京で26日に閉幕した中央軍事委員会改革工作会議で、1949年の新中国成立以来初めてとなる軍の大規模改革に着手すると表明した。米軍をモデルに、縦割りの弊害が指摘されていた命令系統を集約する「統合作戦指揮体制」を本格導入する。領土や海洋権益などをめぐって他国との摩擦が増すことを見据え、実戦的な軍の体制づくりを目指す。

 国営新華社通信によると、軍トップの党中央軍事委員会主席を兼ねる習氏は24日から開いた会議で「軍の最高指揮権は共産党中央、軍事委員会に集中させる」と強調。「統合作戦指揮体制の構築を進め、戦闘力を高めるため部隊の規模・編成を見直し、量から質の重視へ転換する」と述べた。習氏は「革命的な改革だ」とし、2020年までに改革を反映した体制を確立させる方針を示した。