01077227.pngこの国の憲法がきちんと守られているのか、骨抜きになっているのではないか、と、心配していますが、それが、今回、露わになったかもしれません。

現在、安倍政権は、国会よりもずっと優位な立場におり、国権の最高機関と位置付けられている国会の行政府に対する監視機構の仕組みが十分に機能していない、ようにみえます。安倍首相は、対外的にも、「日本政府」という呼称だけでなく、「日本国民」という呼称を使用することがあります。行政府の長としての立場であれば、「日本政府」という表現しかできず、国会の議決などでの信任が必要な「日本国民」を使うことはできないはずなのです。

そして、今回、裁判所も行政府からしっかりと独立していないのではないか、と危惧されるような事態が起きています。
もともと、この国の裁判所の運営管理は、民主的ではない、と、思っていますが。

多見谷寿郎氏は、最終的には、最高裁判事にまで上り詰めることを保証されているのでしょうか。

これでは、安倍首相は「独裁者」と言われても仕方がないのではないでしょうか。

英国の政治家ジョン・アクトンの言葉を思い出しました。

「Power tends to corrupt, and absolute power corrupts absolutely.」
(権力は腐敗する、絶対的権力は絶対的に腐敗する)


沖縄タイムスから

絶妙? 高裁那覇支部の裁判長、代執行前の交代に臆測

 名護市辺野古の埋め立て承認取り消しをめぐり、代執行訴訟に向けて国が動き始める中、提訴先とみられている福岡高裁那覇支部の支部長が10月30日付で代わる人事があった。全国的に注目される訴訟を前に、沖縄県側は「国が介入した対抗策の一環か」と警戒している。

 就任した多見谷寿郎氏は名古屋地裁や千葉地裁勤務を経て、2013年に成田空港用地内の耕作者に、土地の明け渡しと建物撤去などを命じた成田空港訴訟で裁判長を務めた。最高裁は、他県の裁判所で依願退官者が出たことに対応する人事で、「退職者が出た場合は必要に応じて適時発令する」と説明。この時期の人事発令が異例でないことを示唆した。
 県の幹部は「玉突き人事とはいえ、タイミングが“絶妙”すぎて意図的なものを感じる」と顔をしかめる。「国寄りの強権派から選抜したのではないか」との臆測も飛び交う。