今のところ、「専守防衛」の役割を担う自衛隊は、憲法9条には違反しない、とされています。
もちろん、憲法には明文化されていないのですが。
だから、私たちの政府は、そのための武力組織に「自衛隊」という名称をつけています。

「自衛隊」という名称の組織であれば、なにをしてもよい、ということはなく、その装備と訓練の内容には、「専守防衛」という範囲内にとどめておく、という制限があることは当然のことです。
(私は、今の自衛隊の装備と訓練の内容は、「専守防衛」の枠を超えている部分があるのではないか、とすれば、現状の自衛隊は「違憲」ということなるのではないか、と、心配しています。)

また、シビリアンコントロールということで、自衛隊員が行う活動については、文民である政治家が責任を負う、ということになっています。

同時に、その憲法では、軍事力を用いて、国際間の紛争を解決することを禁止しています。

ということで、自衛隊の幹部が、アメリカに行って講演を行い、日本近海ではない南シナ海における、中国の活動について、懸念を表明することについて、それによって引き起こされる諸問題についても、私たちが責任を負わねばなりません。

私は、この海上幕僚長のアメリカでの講演内容については、政治的に責任を問う必要がある、と、思います。

産経新聞から

訪米の海幕長、中国に強い懸念 「南シナ海が軍事的影響圏に覆われる」

 米国を訪問中の武居智久海上幕僚長は29日、ワシントンのシンクタンクで講演し、中国が南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島に建設した人工島に関し、「軍事的に使用された場合、南シナ海全域は中国の軍事的な影響圏に覆われることになる」と述べ、強い懸念を表明した。

 武居氏は、太平洋がインド洋と「密接不可分の関係」にあると指摘。「インド洋と太平洋が繁栄の海であるためには、南シナ海が自由で開かれた海であることが不可欠だ」とし、国家間の対立が紛争に発展することを避けるため、関係国が国際法を順守して問題を解決するよう求めた。
 また、日米同盟を「海洋同盟」と規定し、海上自衛隊と米海軍の協力を含め、地域の海軍間の連携を強化する重要性を説いた。
 講演に先立ち、武居氏は米海軍制服組トップのグリナート作戦部長と会談。グリナート氏は記者団に、埋め立て完了で南シナ海情勢が「戦略的均衡」にあるとする一方、人工島を中国領とは「認めない」と断言した。集団的自衛権の限定的な行使容認を含む安全保障関連法案の成立を目指す安倍政権の取り組みを日米協力の「新たな一章」を開くものとして歓迎した。