安保法制ですが、安倍首相の悲願というような形になっていますが、安倍首相はそのことを一言もおっしゃっていませんが、私は、米国からの要請に応える法制化が図られていると感じています。

憲法に手をつけずに、憲法の解釈を変更するという「裏口」からのアプローチで、このような法案を成立させることよりも、安倍首相は、「アメリカが押し付けた」今の日本国憲法を改正することにその目標があったはずです。
おじいさんが実現できなかった夢を実現させることが、安倍首相の血統に存在するミッション、なのです。

今回の法案は、アメリカ合衆国の国務省からの要請に日本の外務省が対応しようとしている部分と、アメリカ軍、制服組からの要請に、自衛隊が応えた部分があり、それに、安倍首相や自衛隊側が盛り込みたいものを盛り込んだ法案、と思います。
そして、これは、日米ガイドラインの改正にもリンクしているのだと思います。

だから、この法案審議でも、外務省系の官僚と、自衛隊出身の政治家が活躍をしています。
安保法制の特別委員会への出席義務がある大臣は、岸田外務大臣と中谷防衛大臣になっています。

安倍首相は、まず、内閣法制局長官を交代させましたが、
小松一郎氏 外務省出身 一橋大学法学部中退 外交官試験合格のため
を任命しました。小松一郎氏が長官に就任したのは、それまでの人事慣例を破る形になっているそうです。
つまり、本来なら、選ばれるべき方が選ばれなかったわけですが、それが、今の横畠長官です。

その後、小松氏が、残念ながら、体調を崩されたため、
本来、なるべきだった、横畠裕介氏 法務省検察庁出身 東京大学法学部卒
に交代しています。
その横畠氏が、歴代の内閣法制局の判断を歪めた張本人のように言われているのは残念ではあります。

閑話休題

アメリカ政府からの要請に安倍首相が応えての安保法制、ということは、この法案を成立させることを、アメリカ合衆国政府が要望しているわけで、日本政府が、これを拒否することが難しい、という構造があります。

安倍首相自身の本来の政治思想は、対米追従ではなく、自主独立、と、思いますので、このあたりを、安倍首相がどのように整合性をとっているのか、ということと、いつ、どのような理由で、政権の進路を対米追従に切り替えたのか、ということを、私は強く知りたいと思っています。

安倍内閣が、自民党内で強い形で政治を行えるのは、国民からの支持率が高く維持されていることが最大の理由でした。しかし、安保法制を強行すると、その支持率は低下することが予想され、すでに、各種の世論調査で、その支持率が低下する傾向にあることが示されています。

TPPなどの大きな通商政策が成功するためには、日本に強い政府があることが前提となります。
これは、二院制の日本の国会で、両院ともに多数を持つことを意味します。
アメリカ政府にとっては、(アメリカに都合の良い)日本の改革を進めてもらうために、日本には、強い政府が必要です。

この法案を成立させることと、安倍内閣の力が維持されること(つまり国民の支持率が高いこと)、どちらをアメリカ政府は望むでしょうか。

安保法制で可能になることを見ていると、アメリカ側が求めるものが背景にある、ということが浮かび上がってきます。

安全保障体制の全体像と解説

守るべき人がいる 佐藤正久オフィシャルブログ から
http://ameblo.jp/satomasahisa/entry-12019793992.html

1. 目的は2つ
①日本の平和と安全
②国際社会の平和と安全

2. 日本の平和と安全に関わる法制
A. 平時から武力攻撃事態まで日米等相互に切れ目ない対応が可能
平時の警戒監視時から相互のアセット(護衛艦等相互のアセット「装備品」)を防護可能とすることにより、有事の武力攻撃事態まで、日米等が相互に切れ目なく守り合うことが可能となり、抑止力上も対処力上も向上

B. 重要影響事態安全確保法(周辺事態法の改正)
活動範囲の拡大(日本の領海だけでなく公海、相手国の同意があれば他国領域)と米国以外にも支援対象国の拡大
(理由 : 国際テロ等日本の安全に影響を与える事態は世界各所で発生する可能性があること、一般論として日米だけでなく多くの国と連携して対応することが適当であること等)

C. 存立危機事態対象(限定的な集団的自衛権の行使)
そのまま放置をしていたら日本が武力攻撃を受けた場合と同じくらいの深刻な被害が想定される場合等に防衛出動により米軍(弾道ミサイル対処で展開中の米イージス艦や邦人等を輸送中の米軍航空機)等を支援
(なお、存立危機事態はその性質上、重要影響事態や武力攻撃事態等と並立する場合もあります)

3. 国際社会の平和と安全に関わる法制
A. 一般法(恒久法)で対応
イラクやインド洋派遣時のように、事態発生時に特別措置法を策定するのではなく、一般法を策定し、日頃から自衛隊に法に基づく教育訓練を可能とし、事態発生に伴う国際社会の要求に、日本の得意な分野で迅速に対応可能な態勢を整備する。

B. 国際平和協力法(PKO法)改正
今まで同法で対応できなかった国連統括以外の人道支援活動等を「国際連携平和安全活動」として対応可能とし、また武器使用を緩和して任務遂行型や駆けつけ警護も可能とする。

C. 国際平和支援法(新設)
国際社会が共同して武力を行使して対処する事態 を「国際平和共同対処事態」とし、多国籍軍に対する後方支援を可能とする。(インド洋での海自による多国籍軍への給油支のような活動はこの法律で対応可能)