沖縄県で行われた度重なる選挙で、その民意がわかりやすく明らかにされたわけですが、その結果を一切受け入れない国の対応に、忸怩たる思いで経過をみています。
もし、選挙の結果が、国の望む方向であったなら、「民意は示された」として、その選挙結果を最大限に活用していたことだろうと思います。その選挙も、選挙期間中の国による露骨な選挙介入の様子、苦々しく思っていました。

同様の構図は、日本中にあると思います。
原子力発電所やその核廃棄物処理施設の建設問題もそうですし、リニア新幹線が地下を通過するだけの地域とかも。規模が小さなものでは、ゴミ焼却場の建設場所や、最近では保育所の新設もスムーズにいかないことがあるそうですね。

沖縄県知事の後ろには、沖縄県民がいるのだ、ということを国は忘れてはいけません。

民主主義の仕組みには欠陥があります。
それを埋めるのは、政治家の知恵、だと思います。
近づく努力、溝を埋める努力が必要だと思うのです。


毎日新聞から

辺野古:沖縄県「次の手」に苦慮…知事指示を「執行停止」

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設作業をストップするため翁長雄志知事が県漁業調整規則を根拠に出した指示は30日、林芳正農相の判断で一時的に効力を止められた。県が新たな対抗手段をとらなければ、沖縄防衛局による現場海域での移設作業は当面続く見通しだ。農相の執行停止決定は移設作業の遅れによる「日米間の重大な損害」にも言及し、政府は譲歩の姿勢を見せていない。翁長氏は岩礁破砕許可取り消しの検討に入ったが、県は苦しい対応を迫られている。

 ◇「法的に勝てる手段を」
 沖縄防衛局による林農相への執行停止申し立てに対し、県は27日の意見書で、国が不服を申し立てることは制度上できないとして、却下を求めていた。防衛局の請求の適否を同じ政府内の農相が判断するのはおかしいというわけだ。
 これについて、林氏は30日、「岩礁破砕には知事の許可が必要で、防衛局はその許可をとって作業している。この点で私人が事業者である場合と変わらず、申立人として適格が認められると解するのが相当だ」と記者団に説明した。
 執行停止決定は、行政不服審査法に基づく審査請求手続きの一部であり、この決定だけを取り上げて県が訴訟に踏み切っても敗訴する可能性は高いとされる。このため現状では、防衛局の審査請求を農相が裁決するまで、現場海域での移設作業は続くことになる。
 しかも、裁決で農相が防衛局の請求を棄却すれば、同局は知事の指示取り消しを求めて提訴できる。これに対し、国から受託した事務については自治体が原告になれないという判例があり、農相が請求を認めて指示を取り消した場合、県は裁決を不服とする行政訴訟を提起できない。
 行政法に詳しい小早川光郎成蹊大法科大学院教授は「農相が裁決で知事の指示を取り消せば、県がとれる法的手続きは行政不服審査法の中にはない。ただ、今回の執行停止は(裁決が出るまでの)現状凍結ではなく、作業を進めるという意味を持つので、政府はその部分の説明は必要だろう」と指摘する。