大変な量の放射性物質が、最終的に海に流れて出ている状態が続いている、ということを、東京電力が発表していました。

この発表を行った意図は、先日、明るみになって大問題となった、雨水に混じって、排水路から外洋に直接流出していたという放射線物質の量が環境に与える影響について、実感して受け止めることができるように、つまり、比較したら、一桁少ないんだ、と、実感できるように発表したのかもしれませんが。

私も、大学で医学研究をしていたとき、これとは比較にならない、誤差とも言えないぐらいの、ほんの少量の放射性物質を用いて、実験をしていましたが、もし、研究用などで放射性物質を扱っている大学などの研究施設が、この量よりもずっとずっと少ない量の放射性物質を環境に漏出させたとしたら、それは、大変な法律違反として、厳しくその管理責任、結果責任を問われることと思います。

しかし、東京電力に関しては、別の基準のようです。誰かが、逮捕されたり、家宅捜索を受けたりはしないようです。

それは、なぜか、といえば、この大変な事態を早く収束させることを最優先に考えているから、ということに尽きるのだと思います。

怒りを覚えますが、そう考えて、納得するしかありません。

とすれば、重い社会的責任を負っている東京電力がなすべきこと、また、してはならないこと、は、自ずから明らかになると思います。

また、同様のことが、例えば、アジアの隣国で起きたとして、私たちの国は、平穏にしていられるのでしょうか。そのことも考えておきたいと思うのです。

しかし、なんといっても、私たちの母なる海の包容力、本当に偉大だと思います。


読売新聞から

汚染地下水の流出、年間2兆6000億ベクレル

 東京電力は25日、福島第一原子力発電所から港湾へ汚染された地下水が流出し続けており、ベータ線を出す放射性物質の流出量は年間2兆6000億ベクレルに上るとの推計を明らかにした。

 東電は、地下水の海洋流出を防ぐため、護岸に「海側遮水壁」を建設中だが、完成すると地下水が行き場を失って水位が上がるため、全780メートルのうち770メートルを造ったところで中断。残り10メートルの部分から地下水が海に流出し続けている。
 諸葛宗男・東京大非常勤講師(原子力安全規制)は「海水の濃度に大きな変動は見られず、影響は極めて小さい。だが汚染した地下水が漏れ続けるのは正常でなく、何らかの手だてを講じる必要がある」と話す。
 一方、汚染された雨水が排水路から外洋に流出した問題について、東電は昨年4月~今年2月にかけての流出量を、ベータ線を出す放射性物質が計2300億ベクレル、セシウム137が1500億ベクレルと推計した。規制委、東電とも、外洋への影響は少ないとみている。東電は4月から、汚染雨水を外洋でなく港湾内へ流す計画。