首相の戦後70年の総理大臣談話が、大きな政治問題、そして、国際問題になりつつあります。
今、このような事態になっているのは、安倍首相とその政治姿勢を支持するグループの側に責任があると思います。

萩生田光一総裁特別補佐は、「事前検閲」というような言葉を用いて、安倍首相の良識に任せてもらいたい、と発言したそうです。
権力者の言動について、「事前検閲」という言葉はまったく正しい使い方ではない、とびっくりしました。そのような感覚の方が政治家であり、そして、統治機構の中心にいることに、本当に不安を感じます。

発言の自由、検閲の禁止、は、民主主義の大切な根本原則です。

でも、それは、権力側よりも、施政者側よりも、それらに対する市民の側、弱い者に認められるべきもの、だからです。
統治者が、自分の思うがままに政治を行うために認められているものなのではありません。
勘違いもはなだたしい、と、思います。
萩生田氏は、社会を、国民を、怖くないのでしょうか。
とにかく、その政治感覚には、恐ろしさを感じます。

「事前検閲」なしに、談話を発表して、その結果、もたらされる事態について、責任をとらなければならないのは、私たち国民全て、なのであって、安倍首相個人で負うことができるものではない、ということです。
談話の発表後、首相を相手に裁判をするわけにもいかないでしょう。

安倍首相の、国民を分断し、温かい社会を壊すような言動、政治行動には、本当に不信を持ちます。

でも。

政治家のこのような危険な言動について、国民の側からの不安や反対の声がはっきり聞こえないのが、一番の不安です。なんか、戦前に似てきたように思います。

私たちの社会は、未来は、大丈夫なのでしょうか。


産經新聞から

戦後70年談話は「与党の了解とる性格のものではない」 自民・萩生田氏

 自民党の萩生田光一総裁特別補佐は9日のBSフジ番組で、戦後70年の安倍晋三首相談話の内容をめぐり公明党側が事前の協議を求めていることに関し、「文言まで一言一句、与党の了解をとる性格のものではない」と述べ、協議は必要ないとの認識を示した。

 また、朝日新聞が慰安婦問題に関する一部報道を取り消したことを踏まえ、「正しく世界に再発信する役割が70年談話にはある」と指摘。番組終了後、記者団に対し、「談話の裁量権は首相に預けるべきだ」とも強調した。

(引用終わり)

NHKから

総理談話「事前協議になじまず」

自民党の萩生田総裁特別補佐は、9日夜、記者団に対し、安倍総理大臣が戦後70年となることし発表するとしている「総理大臣談話」について、「事前検閲のような機運が高まっている」と指摘したうえで、与党側との事前協議になじまないという考えを示しました。

この中で、自民党の萩生田総裁特別補佐は、戦後70年の総理大臣談話について、公明党から政府・与党で認識を共有したうえで作成すべきだという意見が出ていることなどを念頭に、「与党内で『事前検閲』のような機運が高まっているが、裁量権は安倍総理大臣に預けるべきだ」と指摘しました。
そして、萩生田氏は「与党には、ある程度、最終的な発表の前に了解いただくことになると思うが、与党協議はなじまないと思う。安倍総理大臣は、すでに戦後50年や60年の談話を踏襲すると公言しているので、良識に任せてもらいたい」と述べ、与党側との事前協議になじまないという考えを示しました。