「歴史修正主義者」ではないか、と、アメリカからも指摘がある安倍首相ですが、昨日の衆議院予算委員会で、自民党の稲田朋美政調会長が、アメリカの公立高校で使われている一部の教科書の記載内容について、質問をし、安倍首相が返答するやりとりがあったそうです。

「30万人」という、裏付けのない数字が言われているだけでなく、その数字が「40万人」に増えている、というのは、公立高校での歴史教科書の記載内容としては問題がある、と、私も思います。

でも、このようなことを、大切な国会の予算委員会で質問する稲田政調会長と、それに堂々と答える安倍首相のやりとりには、寒気がしました。
もっと、他に大切なことがあると思いますし、国民を盲動させる「ポピュリズム」につながる危険な言動だと私は思います。もし、この国民たちの「導火線」に火がついたら、責任をもって消せるのですか。
こんなやりとりは、国会の場ではなく、政治家同士の居酒屋談義でよい、と、私は思います。もちろん、料亭、寿司屋でも高級レストランでもよいのですが。

そもそも、旧日本軍の行為を悪く言うことが、「日本の尊厳を損なう」とは、私は思いません。
南京を占領したとき、旧日本軍が、多くの中国市民を捕えて、拷問、暴行、殺害、そしてレイプも、行なったことは、これは、歴史的事実として、私たちは受け入れなければなりません。
日本の歴史学者である、あの秦郁彦氏の著作「南京事件」にも「日本軍の不法行為による犠牲者数を3.8万-4.2万人」と明確に記載されています。「40万人」ではありませんが。



産經新聞から

首相、事実歪曲の米歴史教科書に「がくぜん。主張してこなかった結果だ」と国際発信改善に意欲

 安倍晋三首相は29日午前の衆院予算委員会で、米国の公立高校で事実を歪曲した歴史教科書が使われている実態について「愕然とした。主張、訂正すべき点を国際社会に向かってしてこなかった結果だ」と述べ、誤解を解くための国際発信に努める考えを示した。

 自民党の稲田朋美政調会長が南京事件の犠牲者について、「40万人虐殺」などと事実とは異なる記述をしている米国の教科書を取り上げ、見解をただした。首相は「国際社会ではつつましくしていることで評価されることはない。主張すべき点はしっかりと主張していくべきだ」と指摘。その上で「国益に資するよう、戦略的、効果的な発信に努めていきたい」と語った。
 農協改革に関しては「全国農業協同組合中央会(JA全中)は地域の農協、農家のサポート役に徹してほしい」と強調。JA側の自己改革案については「自立的な新制度に移行するとしているが、法的な裏付けがないとできないような事業を行う組織は、自立的とはいえない」と述べ、不十分との認識を示した。
 今国会で焦点となる安全保障法制には「70年前と現在とは世界は大きく変わったのに、頭の中は70年前のままでは、日本人の命や暮らしを守ることはできない」と法制化に意欲を示した。