政府が戦争を起こすときの理由は、「国民の生命と安全を守る」「国民の生活を守る」「国民の財産を守る」などのような理由付けがなされるのだろうと思います。

それだけをみれば、そのような目的のために、軍事行動を起こす権限を政府に渡さない、というのは、不合理に思われます。
しかし、一時的には、その説明に合致する成果を得られたとしても、その軍事行動がもとになって、結果的には、もっと大きなものを失うことになる、というのが、一番の懸念です。

どんな戦争も、最初の理由付けは、もっともらしいものなのです。
しかし、最終的な責任をきちんと負ってもらえるのかといえば、そんなことはありません。

それは、たとえば、福島第一原発事故をみれば、よくわかります。

政府に「国民の生活を破壊する」権限を与えることになるかもしれないのです。


朝日新聞から

電話閣議決定を検討 「グレーゾーン事態」で迅速判断

 政府は、国籍不明の武装集団が日本の離島に上陸したり、船舶を攻撃したりする事態に際し、自衛隊の出動を素早く決めるため、各閣僚の了解を電話だけで済ませて閣議決定できるようにする検討に入った。警察や海上保安庁では対応できないケースで、実際に閣僚が官邸に集まらなくても、口頭での了解で内閣による出動判断を短時間に出すのが狙いだ。

 政府は、日本が他国から武力で侵略されているとは判断できないが、自衛隊による対応が必要な「グレーゾーン事態」と呼ばれる状況を想定。防衛省関係者によると、電話での閣議決定で出動を決める事態は、
①国籍不明の武装集団が離島に上陸した場合
②日本の船舶が武装集団から攻撃された場合
③外国軍艦が領海に侵入した場合
――の三つのケースを検討している。
 自衛隊法などに基づく自衛隊の出動は、侵略などに対し実際に武力で反撃する「防衛出動」のほか、自衛隊が警察権に基づいて限定的に武器を使う「海上警備行動」や「治安出動」がある。いずれも出動を閣議決定した上で、首相や防衛相が命令を出す仕組みになっている。