アンジェリーナ・ジョリー監督の映画「Unbrokenアンブロークン」が話題になってきています。

この映画を「反日映画」とレッテルを貼ることに違和感を感じます。
あの太平洋戦争中に、旧日本軍が行なった捕虜虐待行為を描いたもので、戦争中の不法行為を批判するものであって、つまり反日ではないからです。少なくとも、現在の日本社会を批判するものではない。

もし、「反日映画」というものがあるとすれば、それは、今の日本社会を批判し攻撃するものであるはずです。

私たちは、「日本」という言葉が持つ多重な意味をしっかりと区別して理解していく必要があると思います。

その「日本」という言葉は、日本人全体を指すのか、日本社会を指すのか、日本政府を指すのか、日本列島など地理的存在を指すのか、ということです。

この映画を「反日」として批判するのであれば、それは、現在日本にも、外国人や捕虜を差別し、虐待する、非文明的なものを自分たちのアイデンティティとして大切にしている、と、外国に宣言しているようなものだからです。

もし、今の私たちの社会が、あの戦争中の旧日本軍、当時の統治機構や指導者たち、旧大日本帝国について、批判するような映画や小説の発表ができないような社会であるのなら、これは、大変危険なことと思います。

私たち現代日本人は、日本全体を焦土に変え、日本人全員が死ぬことになるかもしれなかった、少なくとも戦争指導者たちはそのように日本国民に示していた、あの戦争をやめることができたのは、どういういきさつであったか、そして、その結果、私たちの社会は、国は、統治機構は、どのように新しく作り替えることになったのか、つまり、それまでの統治機構とは連続してないこと、について、しっかりとわかっておかねばなりません。