イギリスの歴史学者だったか、有名な格言

「権力は腐敗する、専制的権力は徹底的に腐敗する」

アメリカの初代と第二代の大統領だったジョージ・ワシントンが、本当にすばらしい人だと思うのは、連続2期目のあと、3期目を嘱望されたときに、出馬を断ったことです。その後、この連続2期まで、というのが不文律になり、そして、憲法に明文化されたそうです。
もし、ワシントンが3期目も連続して大統領をしていたら、今のアメリカの繁栄はなかったかもしれません。

アフリカやアジアの国の中には、大統領という方がいる共和制のはずの国が、まるで、専制君主制の国のようになっている場合があります。
不思議ですが、名ばかりの選挙制度と、何期でも連続して大統領になれる制度だからだろうと思います。国によっては、現大統領が終身大統領である国さえありますし、子どもに世襲させようとする場合もあります。それは、大統領でも、共和制でもありません。国王による専制国家でしょう。それに比べれば、憲法がなかったリビアでのカダフィ大佐の方が、よっぽど、正直で、わかりやすいって、思えます。

ロシアの大統領も、憲法で、アメリカと同様、連続3期は禁止されています。
任期は4年だったそうですが、2008年の憲法改正により6年に延長され、連続就任できる上限は12年になっているそうですが。

なぜ、ロシアで、憲法により、大統領は連続2期まで、と、決めているのでしょう?

その理由を考えれば、いったん大統領を2期務めたあと、首相になるとか、その首相のあと、また、次の大統領選挙に出るとか、憲法の理念を無視した暴挙だと私には思えます。
そんな、明文化されている規定の裏をかくような、そんな狡猾とも言えるような、しかし、見え見えの方法で、国の指導者を選出してもいいのでしょうか。

もちろん、主権者である、ロシアの国民の大多数が、そのことについて、疑念を持たないのであれば、それでいいんでしょうけれども。

歴史をひもとけば、ロシアの国民って、昔から、強い国家指導者にあこがれるようです。

ひるがえって、わが日本は、世界からは、どんな政治制度、あるいは、どんな国民性の国と思われているのかなあ。