中国の統治者たちが、一番、恐れているのは、自分たちの国の人民たちです。
自分たちの意に添わない、大きな流れができあがったとき、それを制御することができないからです。また、今の自分たちの統治権限の根源について正当性があるかどうかについても、不安があることでしょう。

今回の石原都知事の演説を耳にして、一番、びっくりし、困っているのは、中国の統治者たちでしょう。今後、中国の世論がどの方向に行くかで、尖閣諸島を巡る問題の行く末が決まると思います。

隣国である私たちが、中国の人民のナショナリズムを刺激することに、メリットがあり、また、きちんと着地点を見いだすことができるのであればいいのです。でも、それが、かえって、デメリットばかりなら、いいのでしょうか。

しかし、われわれの代表者である国会議員も含めて、わが国の政府は、戦略的にわたりあえるでしょうか。
そもそも、われわれ国民は、何を求めているのでしょうか。今後、起こりうる、いろいろな可能性を考えて、きちんと行動できればいいのですが、大丈夫でしょうか。

日本、中国、韓国、台湾などの東アジアの国々が、互いに連携することよりも、牽制しあい、いがみあうことの方が、欧米諸国にはメリットがあります。日本は、明治以降、その欧米諸国、特に、戦後はアメリカの国益にかなうよう、東アジアの諸国に対して振る舞うことで、国勢を延ばしてきたという背景があります。

ただし、戦後は、日本が中国に対して、日本のナショナリズムを発揮することについては、抑制的であるほうがよいとアメリカも考えており、日本に対して、それに沿うように期待し、折に触れ、要請してきたのだろうと思います。
日本政府の外交が、腰砕けに見えるのは、アメリカの期待に沿っている、ということでもあると考えています。ただし、アメリカは、日本に対しては、歴史的に、尖閣諸島の日本への帰属を、一環して認めてきていますので、日本の権益を制限してきたのではありません。

アメリカは、今回の尖閣諸島についての石原都知事の考えに、賛同しているのかしら。もちろん、アメリカの政治勢力も、親日派と新中国派に分かれるようですので、大統領選挙の行方も含めて、ということになるのかもしれません。選挙ということは、そういうことですね。

尖閣諸島についての、石原都知事のアメリカワシントンでの演説のニュースを聞きながら、いろいろ、心配しています。