領土問題は、ナショナリズムをかきたてます。

「毅然とした態度」を、国民は日本政府に求めます。

その昔、日本が、あの戦争に突き進むことになったプロセスをみると、何回かの分水嶺を越えていたことがわかります。引き返すチャンスがありました。
その一つが、国際連盟脱退、です。
あのリットン調査団の報告書をめぐる会議で、42対1の大差がついたとき、当時の松岡洋右外務大臣は、「毅然とした態度」で、議場を出ました。

一国の利益を代表して、交渉にあたっていた外交官としては、最悪の結果であり、敗北だとさえ、思いますが、当時、国民は、「毅然とした」松岡洋右外務大臣の帰国を拍手喝采して、歓迎したのです。

その後の結果は、言うまでもありません。

国民が拍手喝采する、「毅然とした態度」は、本当は怖いかもしれません。