knode2私が子どもの頃は、福武書店と呼ばれていたベネッセですが、保持していた大量の個人情報の外部流出が起きたそうです。

流出時に同社社長だった福島保副会長と傘下のベネッセコーポレーション社長だった明田英治取締役が引責辞任するそうです。しかし、それだけで社会が納得するわけはありません。
新しい世代の会社経営者として有名な原田泳幸会長兼社長の、会社経営者として、そして、人間としての真価が問われる事態と思います。ちなみに、社長が原田会長の兼任に交代したのは、2014年6月21日だそうです。その時点で、このようなとんでもない事態が起きていることがわかっていたのだろうと思います。

昨日、記者会見して発表したベネッセによれば、「内部の社員の犯行ではない」とのことですが、その根拠は示されていないようです。
クレジットカードの情報や銀行口座の情報の外部流失は確認していない、とのことですが、それも、本当なのでしょうか。「確認」したくない、認めたくない、だけではないでしょうね。

そのうち、経緯が明らかなになることと思いますが、もし内部ではなく外部の者による犯行だったとしても、ベネッセが「単純な被害者」ということにはならないと私は思います。
何千万人もの個人情報を収集して、それを経営に活用しているのですから、このような事態になったことに一義的な責任があります。

「被害者」は情報が流失したたくさんの個人です。ベネッセではありません。
また、そのような「名簿」を購入して、企業活動に利用している他企業も、広い意味で「ほう助」にあたるのではないか、とさえ、思います。そういう意味では、無関係な第三者とは言えません。このような社会的な事態についての責任があると私は思います。

企業の活動が、特に大企業の利益追求が、国民の幸福の向上につながるような社会にしなければならないと、私は思います。


朝日新聞から

ベネッセ、進研ゼミなど受講者情報760万件が流出

 教育事業大手のベネッセホールディングス(HD)は9日、通信講座「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」など26サービスの顧客の個人情報が約760万件、外部に流出したと発表した。消費者庁によると、個人情報の流出件数としては過去最悪。さらに、最大で約2070万件まで増える可能性がある。無関係のIT企業が通信教育の営業用ダイレクトメールに流用していたことから発覚した。

情報流出、社外の人物か
 ベネッセHDから相談を受けた警視庁は、何者かが営業秘密にあたる顧客情報を外部に持ち出したとみて不正競争防止法違反の疑いで捜査を始めた。経済産業省も、個人情報保護法に基づく報告を10日にも求める。
 流出時に同社社長だった福島保副会長と傘下のベネッセコーポレーション社長だった明田英治取締役は流出の全容が分かり次第、引責辞任する。情報管理の安全性を確認できるまで、新規会員の募集など販売促進は自粛する方針だ。
 流出したのは、これまでに26のサービスを利用したことがある子どもや保護者の名前、子どもの生年月日と性別、住所、電話番号などの個人情報。クレジットカード番号や銀行口座、子どもの成績といった情報の流出は確認されていない。
 6月下旬、ベネッセの複数の顧客から「覚えのないIT企業からダイレクトメールを受けとった。個人情報が漏れているのではないか」と指摘があった。調べたところ、データベースから個人情報が持ち出され、名簿業者やIT企業に渡っていることが判明した。両社には名簿の利用中止を書面で求めたという。
 ベネッセHDの原田泳幸会長兼社長は9日、都内で会見し、「多大なるご迷惑をおかけして深くおわび申し上げます」と陳謝した。