アメリカの新聞の姿勢は、ワシントンポストは保守的、ニューヨークタイムスは個人主義的、民主的な感じがすると私は感じています。(私の勝手な個人的印象です。)

そのニューヨークタイムスは、論説のページで、日本の政治社会における「歴史修正主義」について、危惧をいだく記事を連続で掲載しています。

アメリカの有力新聞が、どのような意見を持っているのか、日本としては気になるところだと思います。
でも、気にしなくてもいい、という極端な意見もありそうだけど。

日本の右翼的政治勢力は、安倍首相により勇気づけられ、日本軍が数千人の女性に売春を提供することを強制した、という第二次大戦中における不名誉な歴史を否定する運動を展開している、と、書いてあります。
そしてさらに、朝日新聞が、記事を撤回したけれども、世界的に認識されている慰安婦に関する問題を消すことはできない、と、あります。

私は、このことを考えるのに大事なこととして、あの時代は、

 ・朝鮮(韓国)は日本が併合して国としては存在していなかったこと
 ・売春は違法ではなかったこと つまり、「公認」の業者がたくさんあったこと そのような業者のもとで働いている慰安婦には日本人も多数いたこと
 ・軍として衛生的な側面、また、占領地の市民を敵対させず懐柔する(将兵によるレイプなどの暴力がないようにする)ため、そして、軍の規律を保つためにも、そのような業者に便宜を図っていたこと

の3点をしっかりと認識しておく必要があります。

つまり、日本軍は、軍隊に売春業者が付属して移動し、後方の安全な地域で「開業させて」おり、それは、組織として「正しいこと」として行なわれていた、ということです。
もちろん、売春行為ですから、将兵は料金を払っていました。働いていた女性たちが、兵士たちよりずっと収入が多かった、ということも言われています。(「代金」が払われていたから問題ない、と言いたいのではありません。当時は、売春行為が、違法ではなく経済活動として認識されていたのです。)

そのおかげもあり、終戦間際に、満州に攻め込んで来たソ連兵が日本人居留民たちに行なった、筆舌に尽くし難い悪行と比べれば、日本軍はずっと「紳士的」だったと思います。
日本軍にも、たくさんの将兵がいましたから、暴力的な将兵が皆無ではなかった、とは思いますし、時期や場所を限定すれば、規律が緩んだ部隊が占領地において良からぬ行為を頻発したことも一部にはあったようですが、憲兵隊がそのような行為を行なった将兵を、軍の法律に反するとして摘発していたことも事実です。

そして、そのような施設で働いていた女性たちは、自ら契約して携わってはいるものの、家族のためや経済的な理由で「不本意ながら」であったことは間違いありません。喜んで、そのような仕事につく女性がいるはずがないからです。

これらのことは、日本や韓国に進駐した占領軍としてのアメリカ兵たちを対象とした「慰安施設」の設立と運営が必要だったことや、第二次大戦後のベトナム戦争に出兵した韓国軍兵士が行なった行為、世界各国のたくさんの戦争映画に描かれている占領地でのレイプや外国人女性との交際(食物菓子やタバコなどの物資と引き換え これも売春)をみれば、日本軍特有の問題ではないことがわかります。

日本軍が、「組織的に」朝鮮の婦女子を「人さらいのように」集めた、というようなことはないと思います。しかし、軍が、当然のごとく、そのような売春施設が必要と認識し、設置と運営を「公認の」売春業者に依頼し、そのような施設では「不本意ながら」そのような売春行為に携わざるを得なかった日本や朝鮮の女性がいた、ということは事実だと思います。

そのことまで、漂白することはできない、と、私は思っています。


New York Times

Whitewashing History in Japan
(日本における歴史漂白活動)
http://www.nytimes.com/2014/12/04/opinion/whitewashing-history-in-japan.html?partner=rssnyt&emc=rss
By THE EDITORIAL BOARDDEC. 3, 2014

Right-wing political forces in Japan, encouraged by the government of Prime Minister Shinzo Abe, are waging a campaign of intimidation to deny the disgraceful chapter in World War II when the Japanese military forced thousands of women to serve in wartime brothels.

Many mainstream Japanese scholars and most non-Japanese researchers have established as historical fact that the program allowed Japanese soldiers to sexually abuse women across the Asian warfront — based on widespread testimony from the “comfort women.”

Now a political effort to treat these events as wholesale lies concocted by Japan’s wartime enemies is gaining traction, with revisionists trying to roll back the government’s 1993 apology for the coercion of women into prostitution. The Abe government, intent on stoking nationalistic fervor, was rebuffed earlier this year in its effort to have revisions made to a 1996 United Nations human rights report on the women Japan forced into sex slavery. But, at home, the right wing continues to hammer away at The Asahi Shimbun newspaper, seizing on the paper’s retractions of articles published in the 1980s and 1990s that turned on limited aspects of its coverage to deny the larger historical truth of the “comfort women” program.

The Abe government is playing with fire in pandering those demanding a whitewash of wartime history. “They want to bully us into silence,” Takashi Uemura, a former Asahi reporter, said in describing how ultranationalists have made violent threats against him and his family.

Mr. Abe, under criticism from China and South Korea and frustration in the United States, said in March that he would uphold the apology. In it, Japan admitted that tens of thousands of women from South Korea and elsewhere were coerced into sexual slavery. This is where the historical truth stands, despite revisionist scheming.