相変わらずのカギカッコつきの「イスラム国」を巡る問題ですが、空爆では十分な効果がないと言われ始めています。
もちろん、そんなことは始めからわかっていることであって、改めてそのことを言う勢力というのは、軍事行動の拡大により経済的、政治的利益を得るから、です。

クルド人勢力への「イスラム国」の攻勢が強まり、かなり圧迫されている、との情報があります。
アメリカ政府としては、クルド人勢力を支援することにより、「イスラム国」の勢力を弱めたい、と、考えていると思いますが、それは、トルコ政府にとっては、国内の反政府勢力を強めることにもなり、受け入れ難いこと、と思います。

そのため、トルコ政府は、シリア国境への軍隊の移動を活発化させており、これは、「イスラム国」への軍事的対応でもあるのですが、トルコ国内のクルド人勢力への圧迫にもなると思われます。
そして、アメリカ政府が、クルド人勢力に軍事的支援を行なうことの牽制にしたいと考えているのではないでしょうか。


毎日新聞から

イスラム国:米とトルコが関与強化 国境地帯に空爆集中

 【ワシントン和田浩明】イスラム過激派組織「イスラム国」への対応を巡り、アレン米大統領特使は9日、トルコの首都アンカラでダウトオール首相らと協議した。アレン氏はイスラム国の軍事能力を弱体化させる「緊急措置」と、穏健派のシリア反体制派を支援する必要性を強調。両者は軍事面の協力強化で協議し、来週にも米軍の計画立案チームがアンカラを訪問し対応を検討することになった。米国務省が発表した。

 米国務省のサキ報道官は9日の定例会見でトルコに対し「もっと軍事的役割も担ってほしい」と発言。軍事面以外でもイスラム国の資金源排除や、約3万人の戦闘員の半数近くを占めると見られる外国人戦闘員の流入防止策などを挙げ「彼ら(トルコ)は全ての領域で貢献する能力がある」と述べた。
 米国などではトルコの地上部隊派遣に期待が出ているが、サキ氏は「トルコはかつて、この件に関して前向きな声明を出している」と述べ、議論の対象との考えを示した。
 イスラム国はトルコ国境に接するシリアのクルド人居住地域アインアルアラブ(クルド名コバニ)に対する攻勢を強めており、有志国連合がイスラム国への空爆対象をイラクからシリアに拡大した9月22日以降、さらに危機的状況に陥っている。
 一方、コバニ周辺では、米軍などが今週に入って空爆を強化。米軍によると6〜9日に少なくとも34回実施し、米軍爆撃機がイスラム国の建築物や戦車、要員などを破壊・排除した。約20万人いたとされるコバニの住民のほとんどがトルコ側に逃れたが、今も「ごく少数」(サキ報道官)は残っているという。
 コバニが陥落すればイスラム国の「弱体化と最終的な破壊」を目指すオバマ政権にとっては、痛手となる。一方で、米国防総省は「空爆でできることには限界がある」(カービー報道官)とも説明している。